ミラクルロマンス

あのトキメキを忘れたくないよ

関数ドミノ

10/22 北九州公演観劇

 

観に行こうと思ったきっかけは池岡くん。以前みた舞台での役柄がめちゃくちゃ男前でかっこよかったので気になりつつ、瀬戸くんも出るようだし、北九州に来てくれるなんて滅多にないしと色々重なり軽率にチケットを取った。

あと単純にあらすじを読んだときに、「これめちゃくちゃ好きな感じがする」と直感したので。笑

 

あらすじ(公式サイトより引用)

とある都市で、奇妙な交通事故が起きる。
信号のない横断歩道を渡る歩行者・田宮尚偉(池岡亮介)のもとに、速度も落とさず車がカーブしてきた。
しかし車は田宮の数センチ手前で、あたかも透明な壁に衝突したかのように大破する。
田宮は無傷、運転手の新田直樹(鈴木裕樹)は軽傷で済むが、助手席に座っていた女性は重傷を負ってしまう。
目撃者は真壁薫(瀬戸康史)と友人の秋山景杜(小島藤子)、左門森魚(柄本時生)の3人。
事後処理を担当する保険調査員・横道赤彦(勝村政信)はこの不可解な事故に手を焼き、関係者を集めて検証を始める。
すると真壁が、ある仮説を立てるのだった。
その調査はやがて、HIV患者・土呂弘光(山田悠介)、作家を目指す学生・平岡泉(八幡みゆき)、真壁の主治医・大野琴葉(千葉雅子)をも巻き込んでいく。
はじめは荒唐無稽なものと思われた仮説だったが、それを裏付けるような不思議な出来事が彼らの周りで起こり始める――。

 

※ネタバレしかない感想※

 

物語の主軸はドミノ理論とは証明できるのか、本当にドミノは存在しているのか。

ドミノ理論とは主人公・真壁が主張している、なんとなく願っていることが叶ってしまうとてつもないラッキーな人間、それがドミノという考え方。ドミノ本人はそれを基本的に自覚しておらず悪意がある訳ではない。しかしドミノのせいで本当だったら他の人が願いが叶ったりいい思いをするチャンスを横取りしている、とのこと。

 

真壁は森魚がドミノであると考え、ストーカー紛いのことをしてまで証明しようとする。

しかし結局ドミノは真壁自身であり、真壁が森魚がドミノであるに違いない、そうであって欲しいと思うことにより森魚の周りでは森魚にとっていいことが起きていた。というオチ。

真壁は最終的に1番親身になってくれた友人・秋山をドミノの力により傷つけてしまい、そこで横道に上記のことを指摘され君がドミノなんだ。と気付かされる。横道からドミノの力を使い、秋山を救うよう、それが出来なければ君はただのクズだと言われ必死に救おうとするが救えぬまま暗転し舞台は終わる。

 

 

 終わってまず思ったことは、「ヒーーーーーーーー怖かった!(半泣き)」。
もう、情けないが本当にビビりでちょっとしたことにもめちゃくちゃ驚くタイプの人間なので何回か怖さで死ぬかと思った。電灯がバチッとなるシーンでは驚きで心臓が飛び出た。暗転中に流れる音楽が怖すぎる。気味が悪い。

 

果たして本当にドミノとは存在したのだろうか。真壁は最初からドミノだったのか。ドミノが周期的に入れ替わるというのならあの検証中の最中に森魚から真壁にドミノが変わったというのもあり得るのではないだろうかと思うのが私の正直なところ。この考え方でいくと最後秋山が治らなかったのも真壁からまたドミノが移って行ったという可能性もある。

それにしても最初はみんな真壁のドミノ理論を信じ始めていたのに彼が語るに連れただの被害妄想だとしか思われなくなるシーンがとても良かった。私の心にまで違和感が訪れ、それに伴うように真壁を取り残し他のメンバーが部屋を離れていく。とても心がざわついて好きなシーンだった。

エイズが消えたとか秋山が急に倒れたとか透明な壁の出現についてはやはりドミノ理論はあるというのが私の最終的な結論かなと。

しかし大野が言っていた通り、ドミノ理論が証明されようとも私たちはその世界の中で生きていかねばならない。何も変わらないんだ。というのがやはり真理である。運のいい人はいる。明日は自分が運のいい人になれるかもしれない。そうなることを願って、そうなったときのために前向きに生きていかねばならない。

私はどちらかというと真壁側の人間で、卑屈だし自分の不幸を嘆きがちだ。だからこそ同族嫌悪で真壁のことを凄く嫌に感じた。

 

池岡くんと瀬戸くんしか本当に把握していかなかったので、勝村さんや柄本さんがみれたのが予想外だったし本当に嬉しかった。勝村さんの演技は素敵だった。

 パンチラでこんなに笑う日が来るとは。